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オリジナル童話【青い鳥がくれた不思議なメール(前編)】第2話 [創作童話]

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作品名:青い鳥がくれた不思議なメール(前編)第2話
作品番号:47
原 作:清原 登志雄
校 正:橘 かおる/橘 はやと
イラスト:姫嶋 さくら
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コツコツ。和輝が眠っていると窓をつつく音がします。目をうっすらと開け窓際に目を向けるとカーテンの隙間から美しい青い鳥が窓をつついています。
「幸せを運んでくれる青い鳥だ」
驚いて体を起こし青い鳥を見つめました。青い鳥はしばらく和輝の方を見つめていましたが、ヒュー。吹きさる風とともにそのまま飛び去ってしまいました。
「は!」
思わず体を起こしました。外をみると窓から夕日がさしています。
「もう夕方か、夢…だったのか。不思議な夢だったな」
和輝が、ベッドから降りるとパソコンには新着のメールが届いていました。
「あれ?またメールが届いている」
メールを開くと送信者は青い鳥からです。恐る恐るメールを読んでみると
「大空和輝君へ。私は、君のことなら、なんでも知っている。君は、多くの悲しみを知っているからこそ輝く人生になる。苦しみに負けず幸せに生きようとするなら、君は間違いなく幸せになれる。なぜなら、悲しみを知っている君のからこそ君の人生はすばらしいものになるからだ。送信者、幸せを呼ぶ青い鳥」
和輝は今までに感じたことの無い不思議な気持ちでメールを見つめていました。
「君の事なら何でも知っている・・・悲しみを知っている僕の人生は素晴らしい」
和輝はうなりながら
『不思議な言葉だ…このメールの送り主は一体誰だろう?』
和輝は思い切って、青い鳥に返信してみる事にしました。
「どうして、青い鳥は僕をそんなによく知っているのですか?どうして僕にメールをくれたのですか? 僕なんかに未来なんてあるはずが無いのに。きっと自分は脳の病気で死ぬんだって思っています」
和輝はメールを返信しました。しばらくカーテンの窓から差す夕日を眺めていると
「ピンポーン」
メールの着信音がなりました。
「また、青い鳥からだ」
早速、メールを開きます。
「大空和輝君へ。君は今、ひどく落ち込んで悩んでいるようだね。>どうして、僕の事をそんなに知っているの?
<私は君がウィリス動脈輪閉塞症という病に悩んでいることも知っている。そして、君はウィリス動脈輪閉塞症が治らず、どうすれば良いのか、苦しんでいる事も知っている。君はそんな中、自分を見失い、部屋に閉じこもってしまった。でも人生をあきらめず、なんとか生き抜こうと頑張っているようだね。だからこそ、君が生きている今日は世界のどんな記念日よりもすばらしいのだ。苦しさの中の積み重ねがすばらしい人生を生むだろう」
「>僕になんか未来なんかあるはずが無い<君は多くの人々から愛される必要があるから生まれてきた。だから私も君にメッセージを送っている。自分は必要のない命だと考えているかも知れない。それでも君は一生懸命に生き、最後には愛される命になるだろう。だからこそ君はみんなから必要とされるには、どうすればよいのか考えて欲しい。最初からあきらめるのはもっともつまらない人生だ」
「>脳の病気で死ぬんだって思っています<君が、多くの人から愛されたい。そう強く願うなら、君は素晴らしい人生を生きる事が出来る。私は君にその力があると信じている。君の運命は君自身が決めることだから。さあ部屋に閉じこもっていないで、外に出てみよう。君を受け入れてくれる人々はきっと見つかる。そして、君が希望を持って人生を生きようとするなら、無限の可能性を秘めた青い鳥を手に入れたようなものだ。とにかく、少しだけでも外を歩いてきてみよう。帰ったらまたメールがほしい。幸せはもうそこまで来ているのだから」
和輝は夢中になってメールを読んでいました。
『本当に不思議なメールだ。医学にも詳しいし…このメールをくれたのはお医者さんかな? お父さんがお医者さんにメールを送るように頼んだのだろうか? ウィリス動脈輪閉塞…もやもや病の別名かな?』
和輝はぼんやりとカーテンから差す夕日を眺めていました。
『外を歩いて来なさいか。ひょっとしたら庭に幸せの青い鳥が来ているのかもしれない』
和輝は恐る恐る玄関のドアをゆっくりと開けました。外からは春の暖かい風が入ってきます。
「長いこと閉じこもっていて分からなかったけど、もう春なんだ」


~ 前編 第3話に続く ~

■ 第1話 青い鳥がくれた不思議なメール(前編)
URL:http://douwachan02.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22

▲▲▲▲ 2015年3月24日 ▲▲▲▲

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