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シャルロットと魔法の花(前編) 第2話 [創作童話]

謹賀新年。2015年こそは童話制作委員会にとって躍進の年となりますように! 今回も新作童話【シャルロットと魔法の花(前編) 第2話】を、お届けします。
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シャルロットと魔法の花(前編) 第2話
企画・原作:清原 登志雄
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↑BGMを聞きながら読むと効果的です↑

お母様は笑って、
「ふふ…シャルロット、それはただの言い伝えよ。そんな魔法のような花があるのなら、この国の多くの人々は貧困から立ち直っているでしょう。その花があれば、きっと国民は豊かで幸せになっていますよ」
お母様に話をしても聞き入れてもらえないと感じたシャルロットは心の中で、
『1人で魔法の花を探そう』
と決めました。
ある日、シャルロットは魔法の花を探すため、1人で宮殿をこっそり抜け出し森に出かけました。森の中は薄暗く、シャルロットは心細くなりましたが、アレクサンドルが元気になった姿を思い浮かべ、奥へと駈けだしていきました。森の奥へ進む途中で古い苔むした丸太橋がありました。シャルロットが恐る恐る、丸太橋を渡り始めた時、ミシミシっとにぶい音がして、ボキン。丸太が折れてシャルロットは谷に落ちてしました。数分後、シャルロットは、ずぶ濡れになりながらようやく、岸に上がることが出来ました。しかし、谷でコンパスを落としてしまいこの先、どう進んだらいいか分からなくなってしまいました。
『どうしよう…道が分からない…お兄様、助けて』
心細くなり、メソメソ泣いていると、後ろから誰かが話しかけてきました。
「おやおや、こんなところでお嬢様が1人でどうしたのですか?」
シャルロットが振り向くとと、背丈が60センチぐらいでしょうか、小人のおじさんがこちらを見ています。小人に驚きながらもシャルロットは、
「フェアリーがかけた魔法の花を探しに森まで来たのですが、どこに咲いているのか分からないのです。それに森の出口も分からなくてしまって、困っています」
小人は心配そうに、
「フェアリーの魔法がかかった花ですか? きっと愛の心で咲く魔法の花を探しているのですね。見たところお嬢様なら、十分、裕福そうですが、どうして魔法の花を探しに来たのですか?」
シャルロットは寂しそうに地面を見つめて、
「お兄様が病気で困っているんです。お兄様を元気づける薬は、愛で咲く花だと思い、探しに来たのです」
清流がサラサラと流れる音を聞きながら小人はしばらく考え込んでいましたが、やがて、うなずき
「お嬢様の思いはよく分かりました。だが、この森では時々、クマがでます。私が道案内しましょう。森の奥にフェアリーがいるときいた事があります。一緒に魔法の花をさがしてみましょう」
「ありがとう小人さん、本当に感謝します」
シャルロットは、ホッとしたように小人の手を取りました。小人は恥ずかしそうに笑うと、森の奥へ進んでいきました。1時間ほど歩いたでしょうか、日がかげってきました。その時赤い花のつぼみの上で休んでいる羽のついた髪の長い小さな生き物を見つけました。その生き物は光に包まれており、どこか神秘的でした。

~ 後編に続く ~

シャルロットと魔法の花(前編) 第1話
http://douwachan02.blog.so-net.ne.jp/2014-12-29

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