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エメラルドスターの英雄(完結編) [創作童話]

全国文芸ファンの皆様、いつも当ブログを閲覧いただきありがとうございます。いよいよ【エメラルドスターの英雄の最終話】完結編をお楽しみください。
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エメラルドスターの英雄 第3話
企画・原作:清原 登志雄
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↑読書中のBGMにお使いください↑

王は静かに威厳ある声で、
「わざわざエメラルドスターまで出迎えご苦労だった。だが、お前のような小国の王子などに娘は渡せない」
王子に婚約の断りを入れようとしたときです。大臣が息を切らしてやって来ました。
「王様、会談中に申し訳ありません。大変です」
「どうした? 騒がしい」
「暖かくなったので、農地に食料用の穀物を植えたのですが害虫が大量に発生して大きな被害が出ています。このままだと、今年は飢饉になるかもしれません」
王は驚いて、
「何、それは大変だ。農夫達だけで害虫の駆除はできないのか?」
「王様、恐れながらそれは困難と思われます。今年はどうした事か異常に害虫が大量発生しています」
その時、フィアナにクッキーをもらった鳥がバタバタと木から下りてきました。鳥は王に頭を下げると、
「王様、私は真冬にフィアナ様にクッキーを頂き命が助かりました。私は、フィアナ様もフィリップ王子も立派な方であることを知っています。結ばれればきっと2人は幸せになり両国の友好関係を築くことが出来ると思います。そこで王様に提案です。私たちの仲間が、農地を荒らす、害虫を退治しますので、もし農地がよみがえったらフィリップ王子と、フィアナ様の結婚を認めてあげて下さい。王様に民を思う気持ちがあるのなら…」
王様は考え込んでしまいました。フィアナは、
「お父様、私からも、お願いします。もし農地が荒れてしまえば国民が飢えるかも知れません。どうか鳥さんのお願いを聞いて下さい」
しばらく考えてから王様はうなずきました。すぐに鳥は仲間を連れて農地へ飛び立っていきました。
1週間後、農地の害虫は鳥たちによって退治され、穀物は元気を取り戻しました。農夫達が安心して農作業に従事している様子を王は、黙って見つめていました。
数ヶ月後、フィリップ王子とフィアナ王女は結婚しました。結婚式は盛大に挙げられ、エメラルドスターの農夫達はフィアナ王女を、
「我が国を飢饉から救った英雄」
と、讃えました。
その後、フィアナとフィリップの間に子供が生まれ2人は幸せに暮らしました。フィリップ王子の妃となったフィアナは幸せそうに赤ん坊を見つめて、
「お母様、ありがとう。今、私はとても幸せです」
とつぶやくと、赤ん坊が声をあげて笑いました。その後、エメラルドスターと隣国、フィリアス島との友好関係は末永く続き、両国民は幸せに暮らしたということです。

▲▲▲▲完結▲▲▲▲

第2話はこちら↓
http://douwachan02.blog.so-net.ne.jp/2014-12-19

<完成版掲載予定のHP>
http://douwaseisaku.ie-yasu.com/

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