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オリジナル童話【青い鳥がくれた不思議なメール(前編)】第3話 [創作童話]

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青い鳥がくれた不思議なメール(前編).png ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
作品名:青い鳥がくれた不思議なメール(前編)第3話
作品番号:47
原 作:清原 登志雄
校 正:橘 かおる/橘 はやと
イラスト:姫嶋 さくら
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数ヶ月ぶりの外出で体中に夕日を浴びた和輝は何故か肌が痛く感じました。
「青い鳥が来てないかな?」
和輝は足を引きずりながら庭を少し歩いてみました。塀の向こう側から知らないおじさんが歩いてきます。そして足を引きずって歩く和輝の姿をチラと見ました。
『うわ、見られた。やっぱり誰かに見られるのは嫌だな』
和輝は庭をひと回りし青い鳥が来ていないことを確かめるとそのまま逃げるように家の中へ入って行きました。玄関の戸をしめると
「久しぶりに外に出て日を浴びた。やっぱりみんな自分を馬鹿にしているようだ。なんだか、いやだな」
そうつぶやくと部屋に向かって少しずつ歩いて行きました。途中、台所からため息が聞こえてきます。そっと中をのぞくと両親の姿が見えます
「和輝にもっと良い治療をうけさせてあげたいけど、やっぱり無理かな」
お母さんはそういってうつむき涙ぐんでいます。お父さんも辛そうな顔で
「うーん」
と言ったまま腕を組んでいます。
「お…お母さん、お父さんごめんなさい」
和輝はつぶやくと部屋に閉じこもりました。部屋に鍵をかけパソコンの前に座りました。カチコチカチコチ。時を刻む音だけが静かに聞こえてきます。
『神様、どうか僕の元にも幸せを呼ぶ青い鳥が来てくれますように…』
夕日が沈んだ暗い部屋の中で一人うつむいていると
「ピンポーン」
再びメールの着信音がなりました。送信者はやはり青い鳥からです。
「大空和輝君。外は歩いてきたかな?幸せは見つかったかな?」
和輝はすがるような気持ちでメールを返信しました。
「メールをくれた青い鳥さん、僕を励ましてくれてありがとう。言われた通り、外に出てみました。でもみんなの視線が気になって、僕を馬鹿にしているように見えます。お父さんもお母さんも疲れ切っているし、僕にはどうしたらいいのか分かりません。もし青い鳥が本当にいるのなら僕の元に来てほしい」
和輝は疲れ、ぐったりしながら
『このメールを送ってくれる、幸せを呼ぶ青い鳥って一体誰なんだろう』
和輝は時が止まったかのような静かな部屋で一人考えこんでいました。静寂の中
「ピンポーン」
またメールの着信音が鳴りました。和輝は急いでメールを開きます。
「大空和輝君へ。君のようにこの病に苦しんでいる人々は沢山いる。その人たちも君と同じように悩み苦しんでいる、苦しさを分かち合える仲間は世界中にいる。だから将来、君にはきっと沢山のお友達ができるだろう。お父さん、お母さんは君の事をとても心配している。お父さん、お母さんに感謝しなさい。おまえを命がけで守ってくれているのは、お父さんとお母さんだから」
和輝はメールを何度も読み直しました。
『青い鳥は何故、僕の事をこんなによく知っているのだろう?』
和輝はいくら考えてもわかりません。思い切って家族に聞いてみる事にしました。

▲▲▲▲ 2015年3月29日 前半 完結 ▲▲▲▲

■ 前半 第1話
URL:http://douwachan02.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22

■ 前半 第2話
URL:http://douwachan02.blog.so-net.ne.jp/2015-03-24

■ 童話制作委員会 掲載予定HP
URL:http://douwaseisaku.ie-yasu.com/SAKUHIN-fream.html



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